ジェリーゼリーブログ

2024年5月26日(日)

【週刊近況報告】最近読んで面白かった本(2024/5/26)

 こんにちはー!今回は、最近読んで面白かった本3冊の感想記事です。
 私が現在製作中のゲームの進捗については、わざわざご報告するほどのものは無いですねー。でも背景画像はちゃんと描いてます。報告するほどの進捗はないけど、進んではいますよ~!一応!


●最近読んだ本の感想
 『ユング心理学入門』河合 隼雄

 現在私は夢が舞台のゲームを作っているので、夢について勉強しようと思ってこの本を手にとりました。ユングは「夢」を重視していた心理学者(精神科医)です。

 あまりなじみの無い分野だったので、理解していくのがなかなか難しかったです…。でも私は今まで夢を「超楽しいエンターテインメント」くらいにしか捉えていなかったので、違う視点から夢について考えることが出来てとても良かったなぁと思っています。

 ユングは「無意識」という領域をとても重視していて、夢は「無意識」の内容を伝えてくれる重要なものである……という感じの捉え方であっているのかな…?だから精神科医であったユングは患者のみる「夢」を分析することで、「無意識」を含めた患者の状態を知り、治療を試みていたみたいですね。うーん、興味深い。

 また、ペルソナ、アニマ、アニムス、心像、元型、といった言葉についても解説されており、夢に限らずユングの心理学についての知識を知ることができました。外向と内向、感情と思考、といった対立する要素の「統合」を目指す、というのがユング心理学の大事なところなのかな?

 この本を読むことで、夢について考える視点が増えて、とても有意義でした。特に「夢分析」の章が興味深かったです。でも自分で夢分析をするのはちょっと難しそう…というか危険かもしれないのでやめておこうかなぁと思いました。

【書誌情報】
『ユング心理学入門』著者:河合 隼雄 / 出版社:培風館 / 発売年:1967


●最近読んだ本の感想
 『なぜ男は女より多く産まれるのか』吉村 仁

 タイトルになっている「なぜ男は女より多く産まれるのか」というテーマは、本文のごく一部です。この本全体のテーマは、副題である「絶滅回避の進化論」ですね。

 これは「なぜ男は女より多く産まれるのか?」「なぜ小鳥はヒナを少ししか育てないのか?」などの疑問に対して、「絶滅回避」という視点で答えていく本です。著者は素数ゼミの研究者でもあり、「素数ゼミがなぜ17年(または13年)周期で大発生するようになったのか?」といったテーマも「絶滅回避」の理論で語られていて面白かったです。

 進化の原理といえば「強いものが生き残る!弱肉強食!」というイメージですが、それだけではなく、むしろ「絶滅を回避する」ことが一番重要なのではないか?ということを、この本では繰り返し述べています。「自然界において一番重要なのは生きながらえることであって、相手を競争で排除することではない。競争よりも共生が大事なのではないか」という感じの話が、なかなか素敵だと思いました。そして、絶滅回避の理論は、生物進化などの生物学系の分野だけではなく「人間の投資活動」や「日本の老舗企業の戦略」にも適応できる!というのも面白かったですね~。絶滅回避に必要な考え方を学べる本でした。

【書誌情報】
『なぜ男は女より多く産まれるのか 絶滅回避の進化論』著者:吉村 仁 / 出版社:筑摩書房 / 叢書名:ちくまプリマ―新書 / 発売年:2019(底本:2012)


●最近読んだ本の感想
 『哲学的な何か、あと科学とか』飲茶

 理論体系、科学、量子力学、科学哲学史、思考実験などについて、いろいろ考えることができる本でした。楽しかった!カジュアルでゆるめの文体なので読みやすく、わかりやすいのも良かったです。

 論理的な思考というものは、実は「証明不可能な暗黙の了解」がないと成り立たない?とか、「自転車」は本当に物質か?とか、そもそも科学的思考ってなんだ?とか、あまり今までちゃんと考えなかったことを改めて考えさせられて、刺激的でした。特に最後の方に述べられていた「脳分割問題」は自分の意識ってなんだ?という問題に切り込んでいて、すごく興味深かったです。意識って、私自身の意識って、ほんと、なんなんだろうなぁ…。

 タイトルのとおり、科学的なテーマと哲学的なテーマが織り交ざったいろんな話が書かれていて、とても面白い本でした。軽く読める本なので、科学とか哲学とか論理とか思考実験とか、ちょっと興味あるな~って人におすすめです!

【書誌情報】
『哲学的な何か、あと科学とか』著者:飲茶 / 出版社:二見書房 / 叢書名:二見文庫 / 発売年:2017(底本:2006)

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カテゴリ:週刊近況報告/読んだ本の感想リスト